台風ヘクトパスカルは低い方が強い?・強さの決まり方や目安を解説

年中行事

台風の強さを示す単位としてよく見かける「ヘクトパスカル(hPa)」。

実はこの数値が“低い”ほど、台風の勢力は強くなる傾向があります。

台風の中心の気圧が低ければ低いほど、まわりの空気が勢いよく流れ込むため、風が強まりやすくなります。

この記事では、

  • 台風のヘクトパスカルが低いと強くなる理由
  • 台風の強さの決まり方と気象庁の分類基準
  • 過去の歴代台風と気圧の参考データ

などを、わかりやすく簡単に解説していきます。

台風情報を正しく読み取り、防災や備えに活かしてください。


台風ヘクトパスカルは低い方が強いのはなぜ?

台風の強さを表す単位のひとつが「ヘクトパスカル(hPa)」という気圧の単位です。

台風の中心の気圧が低ければ低いほど、まわりの空気が勢いよく流れ込み、風が強まりやすくなります

つまり、気圧の数値が小さい=勢力が強くなりやすいという関係があります。

これは台風が「低気圧性の渦」だからであり、気圧が低いほど周囲の空気を強く引き込むため、風雨も強くなりやすいのです。

たとえば、950hPaの台風は、1000hPaの台風よりも風や雨の勢力が強くなる傾向があります。


台風の強さは何で決まる?ヘクトパスカル以外の要素とは

台風の強さは、気圧だけではなく複数の要素によって総合的に判断されます。

最大風速と暴風域の広さ

台風の「強さ」は、気象庁によって最大風速(10分間平均風速)を基準に分類されます。

台風の強さ最大風速(10分平均)
強い台風33m/s以上 ~ 44m/s未満
非常に強い台風44m/s以上 ~ 54m/s未満
猛烈な台風54m/s以上

※「最大風速」は10分間の平均で、瞬間風速とは異なります。

中心気圧が低くても、風速が強くなければ「猛烈な台風」には分類されません

また、暴風域の広さ(強風が吹く範囲)も重要な要素で、広いほど被害が及ぶ範囲が広くなります。


雨量・進行速度・滞在時間も影響

勢力の印象は、降る雨の量や移動スピード、同じ地域にとどまる時間にも左右されます。

  • ゆっくり進む台風ほど、同じ場所に長時間雨が降り、大きな浸水被害の原因になる
  • 台風が日本海側を通るか、太平洋側から上陸するかでも、風向きや雨量が変化する

このように、「強さ」=「風だけ」とは限らず、複数の視点で判断する必要があります


中心気圧は“勢力の目安”として使える?

中心気圧の値(hPa)は、勢力の目安として広く使われています。

特に過去の記録をもとにした経験的な傾向では、以下のような目安があります。

勢力の傾向中心気圧の目安
一般的な台風950~980hPa程度
強い勢力になりやすい945hPa未満
記録的に強いことが多い920hPa未満

※目安:上記はあくまで中心気圧の目安であり、台風の強さの公式な分類は最大風速に基づきます。

台風の強さは、あくまで最大風速によって公式に分類される点に注意が必要です。


特別警報の目安となる気圧・風速とは?

気象庁が発表する「台風に関する特別警報」では、以下のような条件が1つの目安とされています(伊勢湾台風級を想定)。

地域特別警報の目安
本州・四国・九州など中心気圧 930hPa以下 または 最大風速 50m/s以上
沖縄・奄美・小笠原など中心気圧 910hPa以下 または 最大風速 60m/s以上

※実際には、雨量や高潮、地形なども含めた総合的な判断で発表されます。


歴代の強い台風の記録(参考)

  • 第2室戸台風(1961年):飛行機観測で最低気圧888hPaを記録。日本上陸時はおよそ930hPa前後と推定されています。
  • 平成3年台風第19号(1991年):最大風速**60m/s(10分間平均風速)**を記録し、統計上最強クラスの台風とされています。
  • 伊勢湾台風(1959年):上陸時の中心気圧929hPa、死者5000人超の大被害をもたらしました。

これらの台風はいずれも、中心気圧が930hPaを下回る非常に強い勢力だったことで知られています。


台風とヘクトパスカルの関係まとめ(結論)

  • 台風の強さは、気象庁の分類では最大風速が基準
  • 中心気圧(hPa)は勢力の目安として使えるが、分類基準ではない
  • 気圧が低いほど台風は強くなる傾向があるが、風速や雨量なども要確認
  • 特別警報の基準には、中心気圧や風速が目安として設定されている(地域によって異なる)
  • 防災上は、中心気圧・最大風速・暴風域の広さの3点セットで確認するのが安心

台風が近づく季節には、家庭用の防災セットを事前に備えておくことが重要です。

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