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▼瀬戸内レモンマドレーヌ 廃校になったはずの校舎に、鳴るはずのないチャイムが響いた。 瀬戸内の海を望むその場所で、静かに立ち続けるかつての学び舎があった。 ある日、風にのってレモンの香りがふわっと届いた。 通りかかった誰もが足を止めるような、甘くてすっぱくて、どこか懐かしい香り。 香りの先をたどると、廃校だったはずの校舎に明かりが灯っていた。 のぞいてみると、教室の中ではパティシエたちが、黙々とお菓子を作っていた。 そう、廃校だった小学校は、地元で評判のスイーツ工場—— 「大浜スイーツアカデミー」として新しく生まれ変わっていたのだ。 パティシエたちは悩んでいた。何度も焼いて、悩んで、また焼いて。 それでも納得のいく味には、まだ届かない。 諦め始めた頃、扉の隙間の暗闇から手がレモンを差し出して、こう言った。 「最高のレモンとバターのマリアージュ、試してみませんか」 その声に導かれるようにパティシエたちはレモンを使って 新しいスイーツを作り始めた。 土に触れ、陽ざしを浴び、風に育てられた、瀬戸内の恵み。 誰かの想いが詰まったそのレモンを、バターと合わせて焼き上げた瞬間—— 理想の味に、ようやく手が届いた気がした。 今日もまた、あの校舎でチャイムが鳴っている。 教室には、レモンとバターの香りが満ちている。 笑顔を生み出すマドレーヌが 今も変わらず焼かれている。 —物語の続きを、そっと手の…